The Last Resort 
―It spends it with someone someday from day to day.―

――おかしいな、何時からだっただろう……?おれがこんなにこいつの事を好きだって思ったのは。よく、解かんないけど……何時の間にか、こいつのことを考えるようになってる。そりゃ、前から嫌いってワケじゃなかったぜ?
――だけどさ、何ていうか……あぁもう、うまく言葉に出来ないや!悔しいけど、好きなんだから。
……仕方ないや。
――なんか、ふざけた奴なんだよな。時々、何考えてんのか解んないし。いっつも笑ってるけど、それ以外の顔見た事殆ど無いし。どっか真剣じゃないような気がするけど、それだけでもないし。
……とにかく、変な奴なんだよ。
初めて会ったのがおれが一七の終わりだから、もう一年半とちょっとか。早いなぁ。そのうちの一年はおれが他の隊に居たから、実質一緒に居たのは半年? ……なんか、もっと一緒に居たような気がするなぁ。何でだろう?
サラサラの黒髪も、飄々とした形の良い弓なりの眉も、変な光――知り合いの女の子に聞いたところによると、ミステリアスな妖しい(なんだそりゃ?)輝きらしいけど――をたたえた、まあまあ綺麗な瞳も、通った鼻筋も、いつも不敵な笑いを浮かべてる、柔らかそうな薄い唇も……ってあれ?おれ、なんか変なこと言ってるか? まぁ、いいや。だから、とにかくそういうの全部もっと前から知ってたような……あ、あれ?なんか余計に変なこと言ったかな? むうぅ……。
――なんか、会ってまだ正味半年しか過ぎてないなんて、嘘みたいだなって思ってるだけなんだけど。
こいつ、ここに来る前は何してたんだろう?こいつの周りに有るものって何だろう? おれなんかの知らない、大切な物がたくさんあるのかな? ――こいつって……いつも何考えてんだろう。
――おれこいつの事、なんにも知らないんだよなぁ……。
まあ……そんな事なんて、大したことじゃないけどさ。
……でも――おれの事は……少しでも、考えてくれてるのかな?
おれの事、好きって言ったし……。
おれだって……こいつのこと好きっ…て…言っ……ッ!
――うわぁ!何考えてるんだぁッ!おれはッ!恥ずかしすぎる!!
……げっ、なんだよ、こういう時に限ってこっち見てんなよ!
「――なんだよっ!そんな目でこっち見るな!ちょっと考え事してただけじゃないか!」
なんで肩竦めるんだよっ!なんで笑ってるんだよぉ!
「なんだよぉ!? 誰が百面相してたって?!笑うなぁ!」
くっそー!いつになったらこいつはおれの事を子供扱いしなくなるんだ!
「だからっ!笑うなって言ってんだろぉ!」
ああああぁ、もう!
いいよ!笑ってろよ!もう知らないからな!
――どーだ、ちょっとはびっくりしたか?
………。
―――。
なんで、おれの頬っぺたはこんなに膨らんでるんだよ……。
あぁあ……、やっぱりおれ、お前のこと好きなのかなぁ……。
しょーがないな……。出血大サーヴィス!くっついてやるから、ギュッてしろよ。
――そうそう、ちゃんとギュッって。
「おれさ……お前の事が好きだ。だから……お前もおれの事好きって言えよ」
……うん、おれもだよ。おれも……。

END

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